廃線跡の旅４０
廃線跡の旅４０
○近鉄八王子線（平成22年5月）


 八王子線　その１

　近鉄八王子線は三重県の日永から西日野までのわずか一駅1.3kmを走っている鉄道だが、元は伊勢八王子までの3.0kmを走っていた鉄道である。水害のため、西日野－伊勢八王子間の1.7kmは昭和51年に廃止された。
　西日野駅は元の位置より日永寄りに移転しており、かつては現在の車止めの先に線路が延びていた。


 八王子線　その２

　西日野駅の先の廃線跡は、両側が自転車置き場になった通路となって、天白川沿いの道につながっている。


 八王子線　その３

　かつては、川沿いに出た付近に西日野駅があった。線路は川と道路の間を通っていたが、河川改修と道路の拡張のために、旧西日野駅の痕跡は見られない。


 八王子線　その４

　線路は天白川に沿って延びていた。次の室山駅は現在のバス停付近にあった。バス停付近は道幅がやや広くなっており、あるいは駅があった名残なのかもしれない。


 八王子線　その５

　室山駅跡付近を対岸から見ても、その痕跡を見つけることは難しい。


 八王子線　その６

　室山駅跡から少し入った酒造会社に、室山駅の駅名標が保存されている。以前は壁に貼り付けてあったようだが、最近駅名標らしく整備されたようだ。


 八王子線　その７

　ずっと川に沿って走ってきた八王子線は、終点の伊勢八王子駅の手前で川から離れていた。まっすぐに分かれている道が廃線跡である。


 八王子線　その８

　
　伊勢八王子駅跡は整地されて駐車場になっている。以前はバスの転回場として使われていたといい、そのころはベンチの上屋の骨組にはレールが使われていたという。


 八王子線　その９

　伊勢八王子駅跡の片隅に、近鉄のマークが印された境界標が残されており、わずかにここが鉄道跡であることを伝えている。
参考文献
鉄道廃線跡を歩くⅣ、宮脇俊三編著、JTB（1997）