廃線跡の旅４８

廃線跡の旅４８ ○国鉄富内線（平成29年8月）

富内線　その１

国鉄富内線は、北海道の鵡川駅から日高町駅までの82.5kmを走っていた路線で、昭和61年に廃止になった。 　元は北海道鉄道の路線で、戦時買収によって国鉄線となったが、その当時の終着駅だった富内駅は駅舎や駅構内が保存されている。

富内線　その２

駅舎内には当時の備品が数多く保存されている。映画「鉄道員」の撮影の際には、ここに保存されていた備品が多く使われたという。

富内線　その３

駅舎のホーム側には、転轍機や信号を操作するためのてこも現役当時彷彿とさせるものがある。このてこからワイヤーが構内に縦横に伸びて、信号機や転轍機につながっていた。

富内線　その４

てこから伸びるワイヤーは、通常は地表付近にあったが、積雪の深い地域では、高い位置に張られていた。完全な形ではないが、空中を伸びるワイヤーが残されている。

富内線　その５

ホーム上には、富内駅があった旧穂別町内の各駅の駅名標が並んでいる。並んでいる順番は駅の順番とは異なっている。

富内線　その６

昭和39年まで終着駅だった振内駅跡には、振内鉄道記念館が建てられている。

富内線　その７

館内には、振内駅の資料の他、多くの資料が展示されている。

富内線　その８

ホームには旧型客車が保存されていて、ライダーハウスとして使われている。また、ホーム上には平取町内にあった各駅の駅名標が立っている。

富内線　その９

構内にはD51型蒸気機関車も保存、展示されている。 　この機関車は、元は樺太で使用されていたものだという。富内線は線路の規格が低いので、C11などが使われていたようだ。

富内線　その１０

終点の日高町駅跡には石碑が一つ残され、伸びた草に埋もれかけていた。ここに駅があったことを示すものは、他には見当たらない。

富内線　その１１

日高町駅の名残は何も残されていないかのようだったが、町はずれにある「ひだか高原荘」の宿泊棟の一角に、ゆかりの品が展示されていた。宿泊した人以外の目に触れることはないが、「30年前、日高町に駅がありました」との掲示もあり、かつてあった駅への町の思いが感じられた。